MOTORCAR — KNOWLEDGE & TOOLS

第1章 車のはじまり / 05 / 路面に合わせる

なぜサスペンションが必要なのか

板と4つの車輪から、ひとつ先の仕組みへ。

車輪とサスペンションの主な部品を示した挿絵

疑問|車輪を板に直接つけたら?

平らな床なら、板と車輪の台も滑らかに進めそうです。ところが道には小さな段差やくぼみがあります。車輪を車体にかたく取りつけると、段差の動きが車体へ強く伝わり、乗っている人や荷物が揺さぶられます。

問題|柔らかいだけでも困る

車体を柔らかいもので支えれば衝撃を和らげられそうです。でも、ばねだけでは縮んだ後に伸び返し、揺れが続きやすくなります。乗り心地だけでなく、タイヤと路面の接し方が大きく変わることも問題です。

発明|支える役と揺れを抑える役を分ける

サスペンションは、車体と車輪側をつなぎ、車輪が上下に動けるようにする仕組みです。ばねが重さを支え、変形してエネルギーを一時的に蓄えます。ダンパーは動く速さに応じた抵抗をつくり、揺れのエネルギーを熱へ変えます。アームなどが車輪の動く道筋を案内します。

ばねとダンパーの働きを分けて示した概念図。車輪を案内するアームや継手は省略しています。この二部品だけで車輪を固定できるわけではありません。
ばねとダンパーの働きを分けて示した概念図。車輪を案内するアームや継手は省略しています。この二部品だけで車輪を固定できるわけではありません。

仕組み|車輪と車体が同じ動きをしなくてよい

車輪が盛り上がりを通ると、車輪側が上がり、ばねやダンパーが動きます。車体も動きますが、車輪の細かな上下をそのまま全部受け取らずに済みます。タイヤ自身の変形も衝撃を和らげます。段差の大きさや通る速さによっては、衝撃を十分に抑えられないこともあります。

進化|快適さと接地を一緒に考える

柔らかくすればすべて解決するわけではありません。曲がるときの傾き、ブレーキ時の姿勢、積んだ重さも考えて設計します。車種によっては空気ばねや、抵抗を調整できるダンパーを使います。目標は、乗る人を支えながらタイヤが路面に力を伝えやすい状態を保つことです。

この図鑑の順番は理解のためのものです。歴史上の発明順序を示していません。

第1章・05 / 48